端攻めのパターン

左玉の金無双に対しての端攻めのパターンを見ていきます。前の記事と同じく振り飛車ではよく使う手筋なので、頭の中を整理しておくと実践でも良いタイミングで使えると思います。 95歩が突けているかどうかで場合分けをして整理していきます。
備考として、金無双に対しては相手が△93銀としたときは角を切る手が好手となることが多いです。角を切った後▲92銀と打って8筋を突破するのも良く出る手筋です。
以下の記事で後手の陣形が相当おかしいですが、ソフトで端攻めを検討させる際に後手に余計な手を指させず端の受けに専念させるため便宜的にそうしています。
①95歩が突けている場合

この局面を技巧に読ませると先手+1300点ぐらい有利なのですが、意外なことに、ここから端攻めをして良くなる変化はありませんでした。そして囲い崩しなどの記事を書かれているサイトでも調べましたが、95歩まで突けている場合の金無双の端攻めについての記述も見つかりませんでした。

試しに上部の局面から9筋と7筋を突き捨て93歩と垂らした局面です。ここの技巧の評価値は+650点ぐらいで、端攻めによって相当悪くなってしまいます。端攻めで悪くなってしまう原因はおそらく玉形との兼ね合いだと思われますが…
よって今のところの結論として、「金無双に対して9筋を突き越すのは端攻めができないので意味がない、相手に突かれたら突き返せばよい」と考えています。
②▲96歩が突けている場合

▲95歩△同歩▲74歩△同歩▲93歩打ちまでがよくある進行で下図

基本図
ここで相手の手が3通りあるので順に解説していきます。
❶△93同桂なら▲94歩打ち

以下相手が何か指して▲93歩成りに△93香なら▲85桂と跳ねれば次の93桂成りで端が破れる。

▲93歩成りに△同銀では▲93角成と切ってよし

以下、△同香と進んだら▲85桂と跳ねても良いし▲92銀と積極的にいっても良い
❷同銀の場合

基本図再掲
ここで△同銀は▲同角とスパッと角を切ってよし

以下、△同香なら▲92銀打ち、同桂なら▲94歩打ちで良し
❸△同香の場合

基本図再再掲
ここで△同香なら以下図のように▲94歩△同香▲85銀と香車を取りに行くのはわかりやすく良くなります

備考…今回は攻め始めるときに歩を2枚持って攻めましたが、3枚持っていたら先ほどの局面(基本図)で△93香から▲85桂と跳ねるのが手筋です

以下△94香▲93歩打ち△91銀▲92歩成△同銀▲93歩となり下図

これで9筋が破れます。歩が2枚で端攻めをすると最後の▲93歩が打てないのでこの筋はでてきません。
以上、左玉の金無双に対する端攻めのパターンでした。